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暴力に苦しむ子どもたち①(日本教育新聞2012年9月10日)

先生には見せない顔がある(日本教育新聞2012年9月10日)

大津市のいじめ問題が大きく報じられるようになって2カ月が経つ。
これまで私たちは各地の中学校、高校などで、生徒を対象に、暴力を防ぐための授業を実施してきた。中には、生徒が自殺した過去を持つ学校もあった。生徒が教師に椅子を投げつけるような荒れた学校も訪ねてきたが、人の命ほど重いものはない。その学校では、どんな荒れた学校よりも深く、だれもが傷ついていた。大津の中学校を思うと胸が苦しくなる。

いじめばかりでなく、子どもたちはさまざまな暴力にさらされている。私は平成11年に、家庭内暴力(DV)に苦しむ人たちを支援するために、NPO(非営利活動法人)を設立し、時に、夫からの暴力に苦しむ妻や子どもたちが新しい地へ引っ越し暴力の無い安心できる生活を得るための支援をしてきた。夫婦間の暴力を目の前で見せられる子どももまた深く傷ついている。

何とか、救い出したかった。そこで、子ども自身に暴力が連鎖しないようにするための教育が必要だと思い立った。海外の事例を調べ、プログラムを開発した。主に、いじめ防止のためのプログラムと、未婚のカップルの間での暴力(デーティングバイオレンス)を防ぐためのプログラムである。

このプログラムの柱の一つに、自尊心の育成がある。仲間との話し合いなどを経て、自分の尊さに気付いていく。そして、他者を大切にする気持ちを引き出していく。
暴力が起こる前に防ごうという試みは、既に、私たちが拠点を置く神奈川県を中心に、全国各地に広がりつつある。近年では、児童相談所の心理職の方々を対象とした研修会に講師として招かれるようになった。暴力防止プログラムを指導するための講習会も開いている。暴力防止の輪がもっと大きくなっていくことを願っている。

これまでの活動を通して気付いたことは、学校の先生には見せない顔を持っている子どもたちが多いことだ。
学校では、おとなしい、あるいは、好ましい言動をしているのに、学校の外では、だれかに暴力を振るう子や、家族から暴力を受けている子がいる。夫から殴られる母と共に暮らす子がいる。

この連載では、私たちの活動の中から見えてきた子どもたちの姿をお伝えしていきたい。また、暴力を防ぐためのヒントも紹介していきたい。
先生方が学校でいじめ問題を考える際、また、民生委員、主任児童委員を務める方々が地域社会で家庭の問題を考える際の参考になれば幸いである。

湘南DVサポートセンター090-4430-1836(tryton@kodomo-support.org)

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文部科学省のHPでも紹介

文部科学省 いじめの問題に対する取組事例集 DVサポートセンター いじめ

いじめの問題に対する取組事例集 特徴的なプログラムが紹介されました

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